2008年10月9日木曜日

渡辺文樹監督についての記事を読んで

今年の5月頃から、映画監督の渡辺文樹氏が発表した「天皇伝説」という
作品が騒動を巻き起こしているらしい。
この件については、「映画秘宝」や、遂には「週間新潮」が
記事にしているが、私にはどうしても腑に落ちない点がある。
それは、それらの記事や、コメントを書いている人間が、
誰もこの映画の元ネタである、鹿島昇や太田龍などの本の内容を
正面から批判していないというよりも、
はっきりいって黙殺しているという事についてである。
この点については誰も無かったことにしておしまいという感じだ。
映画の出来はともかく、この件についてはもっと深く掘り下げて論ずる
べきだと思う。

そういえば、現在の皇室の血統や、それだけでなく、海軍善玉史観にも
疑念を持っている映画人がもう1人いた。
それは脚本家の故笠原和夫である、彼もこの問題に関心を
いだいていた事は、
対談本である「昭和の劇」に詳しく書かれている。
本当は、この事に関心を持っている人間は左右問わず、
結構いるのではないだろうか?
渡辺文樹を嘲笑するぐらいだったら、ほかの天皇制懐疑論者も一緒に
批判すべきだと、この田舎から横目で見ながら感じている。