2009年12月18日金曜日

小沢一郎は岡田英弘理論を理解している

今回の小沢大訪中団の記念写真が、
昨日(17日)の産経新聞の2,3面の上部に、
デカデカと掲載されていた。
反民主のスタンスをとる産経の意図は、
「小沢チルドレンは調子に乗っているぞ」と、
揶揄する目的で載せたのだろうけれども、私はこれを見て
全く違うある考えがうかんだ。

それは、小沢一郎の今回の訪中は、
岡田英弘氏による「朝貢」の定義に従うと、
きわめて理にかなっていて、かつ、日本国の国益にかなった
行為であると判定できるということである。

ここで朝貢と聞いて怒り出す人もいるかもしれないが、
小泉純一郎がブッシュの前で、プレスリーの真似をしたことや、
鳩山首相がオバマ大統領と会見したのも朝貢である。

副島隆彦理論による、世界覇権の米国からBRICS+EUへの
移行への過渡的状況としての米中G2体制下において、
日本国の指導者が、米国に行こうが中国に行こうが、
朝貢になってしまうのが自然ではないのだろうか。

話は戻るが、
今回の訪中団の約630人の人数、胡国家主席との会見、
そして、人民解放軍首脳への苦言といった
今回の小沢一郎の対中国外交は、
岡田英弘氏の、
「中国において、外交問題はすべて内政問題」というテーゼを
小沢氏本人は読んでいるのかどうか分からないが、
理解した上で、日本外交を上手に中国に売りつけるという意味では
成功していると私は感じた。

このことは、岡田英弘氏の「倭国」などに述べられている、
邪馬台国と魏王朝の時代から、
基本的にはほとんど変わっていない
日本と中国の関係の法則性ではないのかと私は思う。
その上で、小沢一郎という政治家は、
中国史における「外交と内政」についての
岡田理論の重要な部分を肌で感じるような行動をとったのでは
ないのだろうか。

これを今回、中国への朝貢だと執拗に攻撃したのが、
安倍晋三をはじめとする、
自民党などの事実上の宗教右派ともいえる
人間たちだった。
これには共産党も荷担している。
前にも書いたが、小泉のブッシュ詣でも朝貢なのに、
小沢訪中のみをを攻撃するこれらの人間たちの言動は
ダブルスタンダードではないのか。

ついさっき今週の週間文春も読んだが、
やたらと小沢批判を載せているくせに、
羽毛田宮内庁長官の小泉元首相との関係や
女系天皇制支持者であることが一言も書かれていない。
それでいて、
福田和也に「小沢は不敬だ!」とコメントさせている。
福田氏は石原都知事の子分だから、
これは石原慎太郎の見解でもあるのだろうが、
本当はこういう人物のことを「君側の女干(かん)」というのでは
ないのだろうか。

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