2008年7月16日水曜日

先週観た映画の話など

少し遅くなったけど、先週観に行った映画などの話を。
木曜日(7月10日)、久しぶりに盛岡に行き、
若松孝二監督の最新作「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を
観てきた。
本当は若松監督が来る土曜日に行こうかと思ったけど、
木曜日のほうがメンズデーで割引になるのでこの日に行く事に。

劇場に入ってみると、だいたい15人ぐらい客がいて、
団塊の世代もいれば、若い女の子もいるという具合で、少ないながらも
幅広い客層だった。
昼の12時過ぎに映画が始まって、最初の3,40分ぐらいは
60年安保から連合赤軍の誕生までの流れを大まかにたどっていき、
テンポが速かった。佐野史郎や宮台真司が出ていたけど、
さらっと出演していたという感じで物語は進行していく。
それが山岳ベースに集結するあたりから変わっていき、
総括や粛清などの場面では丁寧に描かれていて、
実録は実録でも、深作欣二などの東映的なものよりも
むしろ、田中登の「人妻集団暴行致死事件」なんかに通じる
醒めた視線を感じた。ただ、監督自身の知人だった遠山美枝子と
加藤兄弟の末弟を中心に描くところが、オーソドックスなドラマとして
この映画の背骨の部分になっていて、これをどうとるかによって
観客の評価は割れるだろうなと感じた。
ちなみに私は、ヒューマニズムを排除した形でもっと事実を
冷徹に描いてもよかったと思う。
でもまあ、3時間少しの長い作品だったけど、長さはあまり感じなかった。
あと、ジム・オルークの音楽もよい意味で職人的で
映像と良く絡んでいた。

映画が終わってから盛岡の街を歩きながら、秋田よりも栄えているなぁと
感じた。少し時間があったので、本屋で時間をつぶしていると
けっこう後藤新平についての本が並んでいたりして、
この人は郷土の偉人として扱われているんだなとあらためて思った。
このあと午後6時過ぎの電車で帰宅。

次の日(7月11日)、秋田県公文書館に行く。
公文書館講座アーカイブスコースを受講。
こちらは会場に行ってみると、7,80人ぐらいが既に入っていて、
思ったよりも人が多くてびっくり。ただ、全体的に年齢層が高く
私が最年少なのではないかと思うほど。
午後2時に講義は開始。
講義の内容をここに全部書くと長くなるので結論だけを書くと、
江戸時代は士農工商というタテマエがあった。
ただ、幕臣もそうだが、秋田藩では、直臣(大名の直接の家臣)と
陪臣(家臣の家臣)とに分かれていて、農民など他の身分から
陪臣になる例は多かったが、陪臣から直臣になることはできなかった。
というよりも、法的にいくつかの規制が設けられていて、
武士身分のなかでも隠微な差別があったらしい。
あと、直臣はほぼ世襲だが、陪臣は役目が終わるとまた仕官先を
転々としているような者が多く、講師はこれを現代の正社員と
派遣などの非正規社員の差別に例えながら説明していた。
講義を聴きながら、日本は本質的な根っこの部分で近世から
変わっていないのではないかと微妙な気分になっていた。
でも、こういったことを知るというだけでも有益だったことは
確かだった。
ということで、遅くなったけど先週の出来事でした。

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