2010年9月4日土曜日

小沢一郎氏のテレビ出演を観た感想(特に内需拡大政策、地方自治について)

3日(金)小沢一郎前幹事長が、
テレ朝「スーパーモーニング」とNHK「ニュースウォッチ9」に
出演したのを観た。

テレ朝の方は、寝不足で頭がボーッとしていたせいか、
鳥越俊太郎氏や週間朝日の山口編集長と小沢氏のやりとりを観て
「あぁ、朝日新聞系にもまだ船橋体制に対する反抗分子が
 いるんだな。一応、政治とカネの問題には触れてはいるけど
 他の番組よりも小沢氏の良い部分を引き出してはいるな」
という記憶だけが残った。

NHKの方は、司会者や記者に対する小沢氏の回答を観て、
気になった箇所が大きく2つある。

1つ目は、これはテレ朝でも同じことを言っていたが、
小沢氏が経済政策について質問を受けた際に、
「これまで日本は外需(特にアメリカと中国)に依存しすぎてきた。
 アメリカが風邪をひいたら日本も風邪をひく。
 これを改めて、これからは内需を振興していくべきだ」
という趣旨の発言をした。
これは一般の人でも解るように平易な言葉で語ってはいるが、
極めて重要な発言だなと私は思う。
これよりももっと良い表現があるかもしれないが、
小沢氏は、ある意味で「柔らかい一国ブロック経済」を指向している
のではないだろうか。
この発言は、2000年代半ば頃から始まった、
世界規模での資源と技術の争奪戦の時代における
祖国防衛の思想であり、日本のサバイバルの方向性を示した
ものともとれる。
ただし、これは竹中平蔵一派、みんなの党、自民党上げ潮派及び
幸福実現党とは原理的に対立する思想だ。
小沢氏が代表選に勝利して政権に就いた場合、
この部分での彼らとの対立が予想される。

2つ目は、
司会者の「では、内需拡大のための財源は?」との質問に、
小沢氏は福井県の自治体の例を挙げて、
「自治体が道路の融雪パイプのための予算をお願いしたら、
 中央の役所に、誰も利用しないスキー場と抱き合わせなら
 予算をやると言われて、両方作らされた。
 スキー場のほうは最近閉鎖されたはずだ」と、
行政のムダを列挙して、
地方自治体に予算と権限を移したら、今までの5~7割で
今までより効率的で良質な行政を行うことが可能であると力説した。
それについて司会者が、
「自治体首長の中にはとまどいが広がっている」と言うと、
小沢氏がすかさず「そう言う首長はなんのために要るのか?
 首長をやっている資格は無い」と答えた。正論である。

小沢氏は本心では「仏作って魂入れず」で、
ただ単に自治体の数が減っただけで失敗に終わった
平成の大合併(これも最初の案は小沢氏が考えた)に変わる
地方自治制度の再編プランを考えているのではないだろうか?
それは、単純な道州制ではなく、
より複合的なヨーロッパ型の地方自治制度を
日本的にアレンジしたものになると考えられる。
ただし、このプランは小沢氏一代で実行するのは不可能に近い。
この理念は小沢氏の後継者(多分、原口総務相もその一人)に
ちゃんと引き継がれるのだろうか?
もし実行されるのであれば、平成の大合併のような
自民党時代の薄っぺらな地方政策よりも国民全体の利益にはなる。

NHK政治部の赤岩勇二記者の質問と最後の結びは最悪だった。
自分の言葉で語る小沢氏に対し、
「政治とカネ」がどうこうだの紋切り型の官僚の作文みたいな
質問ばかりして、
最終的には、小沢氏が財源は現状のムダを省くだけでも
十分可能と力説していたにもかかわらず、
「小沢氏の主張には財源の裏付けがない」などと
ディベートの流れを全く無視したバカな発言をしている。
本当は、私は「政治とカネ」と言う人間は偽善者ではないのかと
思っているのだが、あまりにも長くなるので
今回はここまで。

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