最近、読んだ本のなかで面白いものがあったのでここに紹介。
講談社ブルーバックス、小方厚著、
「音律と音階の科学 ドレミ‥‥はどのようにして生まれたか」
である。
著者は、現在は大阪大学の教授で物理学が専門だが、
ジャズミュージシャンでもあり、以前は広島大学ジャズ研の
顧問だったという経歴の持ち主。
この本は、この前に行った大曲で本屋でふと立ち読みをしていたら、
これは重要だと思って衝動買いをしてしまった。
本の内容といえば、以前に書いた藤枝守の「響きの考古学」や
平岡達司「ゼロビートの再発見」などの影響を受けていて、
ピタゴラスから始まって、現代音楽やジャズなどに至る
音律と音階の歴史をたどっていくものである。
ドレミ‥‥にはじまる西洋音階はなぜ生まれたのか?ということに
ついて知るには、この本のほうがいい入門になると思う。
ただ、著者が物理学者なので、数学的、物理学的アプローチについて
より詳しく書かれていて、昔、中学生の頃に数学の授業が
つまらなくて勉強するのを止めてしまった私の思考回路では、
あまり理解できない部分もあった。
でも、そういった部分も含めてよい本だと感じた。
ただ、物足りないところがあるとすれば、
ブルーノートが、西洋和声からはずれた音でありながら
(本来は微分音)、ブルースを経由してジャズやロックの
重要な一要素となっていったことについては、
ジャズの分析に多くのページを割いているにもかかわらず
あまりふれられていなかったことと、
世間で一般に言われている「絶対音感」についての誤解についての
言及がなかったことの2つだ。
ここで、絶対音感について詳しく書くと、昔読んだ本に
書かれていたことだが(本の名前は忘れた)、
絶対音感には、絶対的絶対音感と相対的絶対音感の2つがあり、
絶対的とは何の音が何Hz(ヘルツ)かが聞き分けられること、
相対的とは一般的に言われている何の音がドかレか
聞き分けられることである
(ここでのドとかレとかはA=440Hzに基づいている)。
ただ、移動ド派と固定ド派との対立については書かれていた
部分については面白かった。
話は変わるが今週の日曜日、角館の伝承館で
仙北市の小中高の吹奏楽部による演奏会が開かれたので
行くことにした。
角館高校のOBでだれか知っている人がいないかと思って
会場に入ってみると、全然いなくて父兄とかばっかり
だったので少しさびしかったが、客席が埋まっていたので
とりあえず立ちながら聴くことに。
4つの部活が出演し、最初の角中オーケストラ部と
角館ドリームハーモニー(角小の部活?)はまあまあだった。
ただ、音の立ち上がりの「プハー」という感じは、
私が中学校の時もそうだったが
でもこっちよりは上手いかなと感じた。
3つ目の生保内小金管バンドは少人数ながら爆音で
なかなか良かったと思う。
最後の角高吹奏楽部はこなれた演奏だった。
しかし最近の吹奏楽部は男子が少なくて女子ばっかりで
スゥイングガールズそのまんまではないか?
久しぶりにブラバンを聴いたけれど、サックスやトランペット
の音を生で聴くのは気持ちが良い。
と言って、自分でもこれからまた演奏できるかなというと
もう年齢も年齢だし、こんなキレのある演奏ができるかどうか
と不安になる。
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