2008年6月11日水曜日

社会構造が生んだ「狂鬼人間」

今月8日(日)に秋葉原で起こった無差別殺傷事件については
テレビ、新聞やネットで事件の背景について調べていたのだが、
色々と浮かび上がってくるものがあった。
ネット言論の中で、極端なものでは警察が前もって情報をつかんで
いたが、犯人をわざと泳がせて(現場の警察官を見殺しにするかたちで)
犯行をさせたという真珠湾攻撃を彷彿とさせる説もあったが、
私はそれには少し異論がある。
ここではそれは言わないが多分、新宿歌舞伎町の次に浄化の対象に
されるのが秋葉原あたりではないかと考えている人々が発信
している情報なのではないかと思う。
私がここで重要だと思ったのは、犯人が工場の派遣などを転々と
していたという事実だ。ネット言論の一部にある、これは単に
キレやすい人間が起こした犯罪というよりも、労働問題や、
90年代以降の社会構造が生み出した犯罪だという見方に共感する。
おそらく銃刀法や警察力を強化しただけの小細工では
こういった犯罪はなくならないだろう。
劣悪な労働環境(教育環境も含む)で精神を破壊された人間が
いるかぎり、自殺者や殺人鬼が減ることはないと思う。

そういえば、今回の事件の映像を見て思ったことだが、
これは昔に観た、怪奇大作戦の「狂鬼人間」の話によく似た光景
だった。人工的に精神を異常にさせられた人間が犯罪を繰り返す
といった内容で、後半、岸田森が発狂させられて街中を走り回る
シーンによく似ていた。
これが、現在の労働環境のなかで生み出されたのだ。
それでも竹中平蔵や宮内義彦のお仲間である奥谷禮子あたりなら
本人のせいだと説教をたれることだろう。
彼女本人は工場や日雇いで働いたことは無いのだが。
キレやすい人間や心の弱い人間だったらこの世の中には
いくらでもいる。かく言う私だってその一人だ。
私はこの事件を機に、2,30代の派遣社員やニート、フリーター
たちが、犯罪者予備軍扱いされて、社会的に疎外されるのを
危惧している。昔、宮崎勤事件があったときは中学生だったが、
逮捕の翌日、周りからいやな目にあわされた。
あの頃に似ている。

すこし話は変わるが、中学の頃の同級生で、昔いじめられっ子
だったが、バンドブームの時代になってから仲良くなった奴が
いた。私も含めて、流行からさかのぼってオリジナルパンクや
70sハードロックなどを聴くようになったものが何人か
いたが、彼もその一人だった。
あるとき、彼は教室にSEX PISTOLSと落書きをして
担任にキレられたことがあった。
おそらく、担任はセックスピストルズが何なのか知らなかったの
だろう。物凄い剣幕だった。ただ、どちらかといえば
彼はラモーンズなんかの方が好きだったと記憶している。
当時はバブル末期だったが、田舎なので実感が全くなく、
彼は中学校を卒業したあとは高校に進学しないで
東京に働きに出て行った。今どうしているのだろうかと
パソコンに向かいながらふと思う。

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