文藝春秋の7月号に、吉本隆明氏の最近の蟹工船ブームを論じた
文章が載っていたが、その内容はといえば、小林多喜二と
中野重治から始まって、村上春樹の現在におけるリアリティ性に
まで言及したものだった。
吉本隆明といえば、1995年頃に、吉本の思想に傾倒した
知人がいて、オウム真理教の事件をめぐって彼とやりあったことが
あったので、愛憎半ばするものがあったのだが、
この文章には、老人特有の偏狭さや説教臭さがなくて、
自然な境地に達している感じが出ていて良かったと思う。
後半で論じられるアメリカ文化における黒人の役割についての
評価も理解できる。
程度こそ違え、ブラジルやキューバなどの文化も同じだとも思った。
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