2010年7月6日火曜日

政見放送を観るパート4、国民新党、幸福実現党編

昨日観た政見放送についての感想。

まずは国民新党から。
亀井静香と田中康夫のツーショット。
脱ダムの話から始まって、消費税増税批判へ。
田原総一郎との対談でも使われていたが、
国民生活という井戸がカラカラに干上がっているのに
消費税というつるべを入れるのは本末転倒だ論。
まずは井戸の水を増やすべきだと亀井前大臣。
日本がアメリカに金を貸している、
そちらをまずなんとかすべきだとも主張。
その後は、夫婦別姓、外国人参政権について。
参政権よりも、帰化の条件問題から始めるべきという
保守の立場からの民主党左派である菅政権への批判。
しかし、全部言いたいことが言えずにここで時間切れ。
亀井、田中両氏共に
もっとトークのスキルが上手い人物なのだが、
準備不足のためだろうか、消化不良気味だと感じた。

次に比例区候補の紹介。
保守派の立場から良い主張を唱えていた人もいた。
注目の敏いとう氏は、となんで出馬したのか微妙な発言。

公明党は前回と同じ内容なのでとばして...

最後にある意味最注目の幸福実現党の放送。
まずは、石川党首単独で話す。
この党は党首が一番ころころ変わる印象。
最初は、菅政権の最小不幸社会スローガン批判から始まった。
そして、増税などの民主党(七奉行派)批判を並べる。
その中に参議院廃止による一院制論も混ぜていたのが気になった。
これには異論がある。
小泉元首相らも一院制を唱えていたはずだ。
次に、中国、北朝鮮の軍拡などについて
「最後の冷戦」と表現。日米同盟を強化すべき論へ。

ここでは二つの疑問がある。
まず最初は、この党のスタンスが「反共」なら、
日本国内では、「蟹工船」路線の共産党を
真っ先に批判するべきだが、
この党は、民主党、ついで社民党に矛先を向けている。
この党派性があやしく感じられる。
二つ目は、
消費税増税がアメリカの命令によるものだと言う
議論が根強いが、
もしそうだとすると、
日米同盟強化と増税批判は矛盾するのではないのか?
と私は思ったのだが。

そして、「幸福」を何回も連呼。いったい何回唱えたのだ。
これじゃ菅総理に強迫的と言われても仕方がない。

次は、饗庭直道氏と湊侑子という党員の女性が登場。
またまた「幸福」を連呼。
中国の台頭を「国難」と表現。
九条護憲派批判。チベットの例を挙げて対中融和派批判。
たしか鳩山前首相は
ダライ・ラマのチベット自治論支持者だったと思うが、
この点には触れないで民主党を批判。

次は外国人参政権批判。オランダの例を引用。
たしか幸福実現党は、
昨年は、自民党の中川秀直、小池百合子一派と一緒になって
外国人移民を大量に入れて、
日本の人口を3億人にしようなどと言っていたはずだ。
こんなことをしたら、キプロスやフィジー諸島のように
日本でも民族紛争が起こってしまう危険がある。
移民論から転向宣言も何もしないで
外国人参政権批判をするのは非常におかしい。

次に社会主義批判。小さな政府論。
アメリカでの例などを引用。
途中でリバータリアニズムの「最小国家論」のパクリだと感じた。

全体的に、おかしな矛盾点もいくつかあった。
ただし、「反共」「反中国」「反北朝鮮」などを
素朴に信じて、ネオコンおよびマネタリズムの
おかしな点(共産主義よりもある意味左翼的な部分)
を理解できない保守派の人々には
一定の支持を受けるだろうなと感じた。
それでさらに私は不愉快になっていくのだが...

(追記)
そういえば、かつて中川八洋氏は、
著書「正統の哲学 異端の思想」の中で
一院制のもたらす権力集中の危険性について、
フランス大革命時における、一種の三院制としての三部会と
国民議会~立法議会~国民公会の一院制の系譜の対比を
例にして言及していた。
中川氏の言説には学問的におかしな点がいくつもあるが、
この点については的を得るのではないかと思う。
(私は的を得るは正しい表現だと思うので今回もこの表現を使う)

0 件のコメント: